食事とファッションと聞いて、その2つにどのような関係を思い描くだろうか。おそらく真っ 先に浮かぶのは、理想の美しさを追求するあまり痩せすぎた女性達や、栄養失調のモデル達のイメージかもしれない。しかし、ファッションを全体的なシステムとしてではなく、衣服そのものの文脈で捉えると、全く異なる題材同士の関係性や結びつきが浮かび上がってくる。エドウィナ・ホールは今回の " スープ " というコレ クションで、変容していく過程で身体の内と外がどう影響し合うのか、内側と外側の新陳代謝、 その関係性をテーマとして扱う。内部と外部がそれぞれに変わりゆくこと、つまり化学的・有機的な身体内部の変化の過程と、デザイン的・ 芸術的な身体外部の変化の過程との間には、どのような繋がりがあるのか。身体は内と外の両方から整えられ形づくられる。食と衣の接点として、エドウィナ・ホールはスープをメタファー に用いる。生命をつなぐものと美を備えたもの、 それぞれの要素が相互に作用し、組み合わされ ることではじめて、香り高い栄養満点のスープは生まれる。
中心に身体があり、その内部・外部の世界に影響を及ぼす。エドウィナ・ホールは、食と衣、 個々の素材がそれぞれ相互に影響し合うことで 生じる身体の内と外における変化の過程を作品に表わそうとする。彼女は " リセット・クチュー ル " として、過去のさまざまなコレクションからサンプルを選び、文脈を一新した一着を作り上げる。素材、裁断方法、そして機能をクロスオーバーさせながらベースとなったサンプルは形を変えていき、その過程で衣服本来の使用範囲は拡張される。そうして、環境に優しい、リサイクルを旗印にした新しいデザインが生まれるのだ。過去のコレクション "S・A・N・A・E" の "HARUBARUTEI" T シャツシリーズで、 エドウィナ・ホールはファッションと料理の世界を融合させた。東京・経堂の伝説的なラーメン屋店主であった亡き夫・早苗を偲び、彼が生み出したラーメンのスープや料理を復活させると共に、この場所で紡がれる物語に耳を傾けようとしている。その物語とは、店を訪れる人々とのパフォーマティブなコミュニケーションによって生まれる調理の過程であり、個々の食材が織りなすストーリーでもある。それぞれの食 材・料理それ自体・調理法・料理の見た目からは、 ファッションにおける衣服それ自体・サンプル・ 裁断・デザインと同じように、その創造と生産 のプロセスが文化や時代、社会や政治によって形づくられてきたこと、そして、それぞれの歴 史を紡いできた人々の存在が思い浮かぶ。料理とファッションどちらの分野でも、素材を選んで組み合わせること、そこに日常的・社会的な現象を反映させること、時代を読むこと、変わり続けること、それら全てが大きな役割を果たす。新陳代謝とは、有機的・創造的に変化し続けることなのだ。
気候変動や環境破壊の問題に直面し、分解可能な製品、リサイクル、循環型経済、そして何よ り脱成長をベースにした社会への変容が求められている。そういった変化は、それぞれの製品 の耐久性や価値を上げることにつながり、製品をより長く楽しめることにつながる。その結果、 天然資源、労働資源、エネルギー資源の節約になり、環境破壊をともなう製造工程を基盤にし、 短期的な消費サイクルを目的に生産されるファストファッションやファストフードの流れを断つことができる。変化とは、意識のレベル、肉体のレベル、どちらにおいても起こるものであり、このふたつの領域を切り離すことはできない。脱成長運動を考える上で、世界には既に十分な数の製品が存在すると仮定するならば、そ
ういった既にあるものをどう活かすのか、押しつけられた成長神話から脱却し、いかにリサイクルや環境に優しい製品を当たり前のものにしていくかが重要となる。急激な成長や、目先の 利益、速い消費サイクルが、社会的、政治的、 あるいは個人的な目標として喧伝されなくなって初めて、経済優位の政治体制から距離を置くことができるだろう。そして、生産された物の量や数を見るのではなく、人間も含めたあらゆる要素の相互作用を、生きていくための循環の基盤と捉えられるようになれば、ものの見え方や行為自体も変わり始めるだろう。
スープに含まれる栄養素は身体に必要な様々な要素を凝縮したもので、新陳代謝の機能を最適 な状態に保ち、身体器官の生育を促し、健康を維持し、免疫システムを保護する、そして何より、私たちに幸福と喜びをもたらすものである。 生態学的なプロセスの模範となるような自然本来のプロセスは、一方では社会的なプロセスと切り離せないものである。何を食べるかの選択が身体を内側から規定するように、衣服は身体を外側から規定し保護するものである。個々の構成要素や行為主体の相互作用・相互依存は、 循環システムの一部であり、私たちはまずその中に自分の道を見つけなければならない。
SABINE WINKLER
翻訳:小沢さかえ
中心に身体があり、その内部・外部の世界に影響を及ぼす。エドウィナ・ホールは、食と衣、 個々の素材がそれぞれ相互に影響し合うことで 生じる身体の内と外における変化の過程を作品に表わそうとする。彼女は " リセット・クチュー ル " として、過去のさまざまなコレクションからサンプルを選び、文脈を一新した一着を作り上げる。素材、裁断方法、そして機能をクロスオーバーさせながらベースとなったサンプルは形を変えていき、その過程で衣服本来の使用範囲は拡張される。そうして、環境に優しい、リサイクルを旗印にした新しいデザインが生まれるのだ。過去のコレクション "S・A・N・A・E" の "HARUBARUTEI" T シャツシリーズで、 エドウィナ・ホールはファッションと料理の世界を融合させた。東京・経堂の伝説的なラーメン屋店主であった亡き夫・早苗を偲び、彼が生み出したラーメンのスープや料理を復活させると共に、この場所で紡がれる物語に耳を傾けようとしている。その物語とは、店を訪れる人々とのパフォーマティブなコミュニケーションによって生まれる調理の過程であり、個々の食材が織りなすストーリーでもある。それぞれの食 材・料理それ自体・調理法・料理の見た目からは、 ファッションにおける衣服それ自体・サンプル・ 裁断・デザインと同じように、その創造と生産 のプロセスが文化や時代、社会や政治によって形づくられてきたこと、そして、それぞれの歴 史を紡いできた人々の存在が思い浮かぶ。料理とファッションどちらの分野でも、素材を選んで組み合わせること、そこに日常的・社会的な現象を反映させること、時代を読むこと、変わり続けること、それら全てが大きな役割を果たす。新陳代謝とは、有機的・創造的に変化し続けることなのだ。
気候変動や環境破壊の問題に直面し、分解可能な製品、リサイクル、循環型経済、そして何よ り脱成長をベースにした社会への変容が求められている。そういった変化は、それぞれの製品 の耐久性や価値を上げることにつながり、製品をより長く楽しめることにつながる。その結果、 天然資源、労働資源、エネルギー資源の節約になり、環境破壊をともなう製造工程を基盤にし、 短期的な消費サイクルを目的に生産されるファストファッションやファストフードの流れを断つことができる。変化とは、意識のレベル、肉体のレベル、どちらにおいても起こるものであり、このふたつの領域を切り離すことはできない。脱成長運動を考える上で、世界には既に十分な数の製品が存在すると仮定するならば、そ
ういった既にあるものをどう活かすのか、押しつけられた成長神話から脱却し、いかにリサイクルや環境に優しい製品を当たり前のものにしていくかが重要となる。急激な成長や、目先の 利益、速い消費サイクルが、社会的、政治的、 あるいは個人的な目標として喧伝されなくなって初めて、経済優位の政治体制から距離を置くことができるだろう。そして、生産された物の量や数を見るのではなく、人間も含めたあらゆる要素の相互作用を、生きていくための循環の基盤と捉えられるようになれば、ものの見え方や行為自体も変わり始めるだろう。
スープに含まれる栄養素は身体に必要な様々な要素を凝縮したもので、新陳代謝の機能を最適 な状態に保ち、身体器官の生育を促し、健康を維持し、免疫システムを保護する、そして何より、私たちに幸福と喜びをもたらすものである。 生態学的なプロセスの模範となるような自然本来のプロセスは、一方では社会的なプロセスと切り離せないものである。何を食べるかの選択が身体を内側から規定するように、衣服は身体を外側から規定し保護するものである。個々の構成要素や行為主体の相互作用・相互依存は、 循環システムの一部であり、私たちはまずその中に自分の道を見つけなければならない。
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