2024年8月10日土曜日

+ + + お盆期間中のプレオーダー、イギリス N-EM-CEE の OVER WORK COAT + + +

お盆です。

ヒントではAW24シーズン、新たなブランドをセレクトさせていただく訳ですが、

このお盆期間中(8/10〜18)、入荷を前にプレオーダーを行わせていただきます。

そのブランド、アイテムはというと、

イギリスはマンチェスターのアトリエにてオーダーメイドとして1着1着丁寧に製作するブランド、

ネムシーをご紹介させていただきます。

ブランド名の " N-EM-CEE " とは創設者の NIAMH MEGAN CARR の発音表記を取ったもので、

イギリスはマンチェスターにて2019年に誕生しました。

基本的にはユニセックスな服作り、生涯愛し、着用できうる耐久性を追求した生地、仕様、縫製を目指しています。

時代を超えたデザインと美しさ、流行りに左右されず一生付き合って行けるピースを実現しています。

イギリスの歴史とファッション文化における強みと美しいデザインと要素は様々な特異性と専門性を持ち合わせ、

ツィードやチェック、レザーやオイル、ワックスドクロス、

狩猟からガーデニング、伝統的なファブリックや文化が存在します。

ウチのような " セレクトショップ " としてはやはり世界中からその特徴と強みを活かしたデザイナー、プロダクトをいち早く見つけ輸入し、お客様に知っていただき、愛着とともに着ていただく事を目標としております。

今回で言えばイギリスマンチェスターのアトリエでオーダーされた数量のみをひたすら丁寧に製作され、輸入された服たちをここ日本の地で生涯受け継がれてゆく。そんな服のストーリーを生み出す重要なスタート地点だと思っています。

このN-EM-CEE、その中でもこの " OVER COAT = 12.5OZ WAXED HARRINGBONE TWILL

" は絶対的にハズすことのできないピースであり、一年を通して活躍するデザイン、重さであり、使用するファブリックから縫製までの要素が手持ちのワードローブとして必要不可欠だと感じました。

まず、採用されるメインファブリックには、1864年創業のスコットランドの老舗ファブリックメーカー「HALLEY STEVENSONS（ハレー・スティーブンソン）」で作られるワックスドコットン(12.5OZ WAXED HARRINGBONE TWILL)。
(個人的にもココのファブリックを使ったコートを13年経った今もヘビロテ中。)

(コートの内側に縫い込まれたスティーブンソンのタグ)

ワックスドコットンの歴史は15世紀まで遡ります。水夫が帆の動きや耐久性を良くするためにオイルを染み込ませたことに始まり、のちに作業服などに応用され改良が重ねられた今では、さほどべたつきや重さが気にならないようになりました。耐久性だけでなく、防水性や保温性を兼ね備えた機能的な素材です。
非常に特殊な製法であるため、独自の生地を生産しているのは世界でもほんの一握りだといいます。中でもハレー・スティーブンソンのワックスドコットンは独自特許から着想を得て開発されたもので、ひと際さらりとした軽い肌触りが特徴的。発色の良さも随一です。天然由来の素材を使用しているため環境にも優しく、現在ではメーカーを代表する素材になっています。

ハレー・スティーブンソンの創業の地であるダンディーは、当時スコットランド最大の捕鯨の地であり、植物の亜麻の繊維を用いた織物工業が盛んな都市でした。のちに、インドから持ち込まれた黄麻（こうま）の植物繊維に鯨油を混ぜてつくるジュート生地が広まり、ジュート織りの世界的な中心地となります。時代とともにジュート産業は衰退し始めますが、ハレー・スティーブンソンは今もなおダンディーで生地づくりをしています。分業せず、全ての工程を自社工場で賄うことが変わらない品質を保つ秘訣だといいます。